浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0187A01: | はく。學生骨になりて念佛やうしなはんすらんと。往生 |
J09_0187A02: | や仕損ずらんと。の玉はずして。念佛やうしなはんすらんと。の玉へる所に眼を付べし。元祖大師の正意。念佛にあり。申しさへすれば往生と |
J09_0187A03: | 云ふか所詮也。されば古人も安心者にならずと。念佛者になるべしといへり。往生淨土の安心は肝要なるをなれども。稍もすれば安心 |
J09_0187A04: | 物語りに。日を暮して念佛せざるあり。又は安心物語に目をさまして。念佛にはいねむるもあり。かかるありさまは。安心の學問すら。 |
J09_0187A05: | 念佛をうしなふ。まして况や自餘の學問だてをや。よくよく案じて見玉へ安心の至極は。往生の爲に南無阿彌陀佛と申ばかりなり。 |
J09_0187A06: | しかれば只相續して。多くも少くも。人人分分相應に申より外の極樂往生はなし。されども凡夫の行入は。退縁しばしばをこるなれば |
J09_0187A07: | 本願相應の抄物をひらき見るまで也。その力なきものはただ本願念佛弘通の正見なる善知識に參して。聽聞して申より外の事なきぞと心を |
J09_0187A08: | 得て。目出度極樂へ往生し玉へかし。されば學生骨になりては念佛やうしなはんすらん。それでは詮もなき事ぞと也爰を以 |
J09_0187A09: | て願生行者の至要たる三心四修だにも。南無阿彌陀 |
J09_0187A10: | 佛と申うちにこもり候なりと。行者の機具に約し玉 |
J09_0187A11: | ふ。豈是本願唯稱名に非ずしていかん。且又示して |
J09_0187A12: | の玉はくとしごろならひたる智慧は。往生のために |
J09_0187A13: | は要にも立へからす。されとも習たるしるしには。 |
J09_0187A14: | かくのことく知たるは。はかりなきことなりと。是智解 |
J09_0187A15: | 悟解を用ひず。稱名すれば。本願に乘すと。常に勸 |
J09_0187A16: | 進し玉ふ。斷然不改の程も自ら顯著也。故に唯口稱 |
J09_0187A17: | の一行を以て。滅後末代へ弘通し玉へる。一紙御遺 |
J09_0187B18: | 訓の。宗旨門の詮要ここにあり。爾れは但信稱名し |
J09_0187B19: | て。慮知分別に亘らず。才覺工夫を用ひず。平に御 |
J09_0187B20: | 遺訓の宗旨を信して。稱名相續が肝要也。『是亦圓光 |
J09_0187B21: | 大師自己の臆説。今案の新義にあらず。善導一師に |
J09_0187B22: | る依の明訓も蓋し此意なり暫く三五の文を出して其 |
J09_0187B23: | 義を明さん。 |
J09_0187B24: | 玄義分曰若我得佛十方衆生稱我名號願生我國 |
J09_0187B25: | 下至十念若不生者不取正覺 |
J09_0187B26: | 又曰一一願言稱我名號四十八願の中第十八念佛往生の願を除き。餘の四十七の願を立 |
J09_0187B27: | 玉ふ意は。我名號を稱して。我國へ生れたらん者を。再ひ惡趣へ歸さば。正覺を取らずと。是不更惡趣の願の意也。乃至我名號を唱へたら |
J09_0187B28: | ん女人。我國へ生れて成佛せず。再び女人の形を得は。正覺をとらずと。是女人往生の願の意なり。乃至我名號を唱へて。我國へ生れたら |
J09_0187B29: | ん者。三法忍を得ずば。正覺を取らずと。是得三法忍の願の意なり。故に一一願言。稱我名號と釋し玉へり |
J09_0187B30: | 序分義曰彌陀本國四十八願願願皆發增上勝因 |
J09_0187B31: | 定善義曰四十八願中唯明專念彌陀名號得生 |
J09_0187B32: | 散善義曰一心專念彌陀名號行住坐臥不問時節久 |
J09_0187B33: | 近念念不捨者是名正定之業順彼佛願故。是正しく。三 |
J09_0187B34: | 心の中の。深心の御釋にして。而も就行立信の。結釋なり |