あごん/阿含
「来たったもの」「もたらされたもの」の意から、聖者の教え、教えの集成全体をさす。Ⓢāgamaの音写語。インドの宗教全般で聖典を意味し、仏教でも同様である。後代では特に、経蔵の呼称として用い、分量・内容から四部あるいは五部に分けることもある。また、大乗の聖典に対して初期仏教の聖典を限定的にさす言葉としても用いる。特に、中国仏教以降では一切経を仏陀の直説と考え、その優劣を語る(教相判釈)に際し、悟りから最初の一二年間に説いた小乗の教えと解する。
【参照項目】➡教相判釈
【執筆者:南清隆】