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観経疏講録

提供: 新纂浄土宗大辞典

かんぎょうしょこうろく/観経疏講録

四巻。著者不明。底本の所在なども不明。享保年間(一七一六—一七三六)の講録とされる。善導観経疏』の玄義分・序分義・定善義・散善義をそれぞれ講説したものであり、巻頭に五門の総序を述べ、以降は逐次、文にしたがって講述されている。内容としては、良忠伝通記』や聖冏糅鈔にゅうしょう』によって解説をおこない、字句の細釈は浄影寺慧遠じょうようじえおん吉蔵智顗元照戒度などの諸注釈書を引いている。そのほか、諸経論も豊富に引用考証しており、著者は唯識・天台・西山義にも広く通じていた人物とみられ、おそらく十八檀林に属する鎮西派に近い学僧であったと考えられている。


【所収】続浄二


【執筆者:工藤量導】