命終時に阿弥陀仏に心を振り向け往生すること。『観経』に下三品の凡夫が臨終時に至り、初めて善知識の教えを受け往生の縁に結ばれると説かれている。聖冏は『釈浄土二蔵義』二八に、臨終も長時修じょうじしゅの中に含まれるとし、「或は平生に五六七を具し臨終に三と四と八との門を具する有り、謂く中下品是れ也。或は平生に総じて六門無くして臨終に頓に具する有り。謂く下三品是れ也」(浄全一二・三一二上)と中品と下品の二類に分けている。
【執筆者:服部淳一】