仏の意志の尊称。『選択集』三や『同』五に「聖意測り難し」(聖典三・一一八、一三〇)とある。とくに『同』三では、第十八願に諸行を選捨して念仏のみを往生の行として選び取った阿弥陀仏の意図を指している。そのわけは凡夫がおしはかることはできないとしながらも、念仏と諸行について勝劣と難易の二義によって対比している。これにより念仏が修し易く、しかも勝れた行であるとする法然独自の念仏観が明かされている。なお『同』五では釈尊の意志を指している。
【執筆者:粂原勇慈】