らいじょうどじゅうにげ/礼浄土十二偈
『続高僧伝』六に曇鸞の著作としてその名が伝えられているが、いずれの書を指すかは不明。良栄理本『往生論註記見聞』では、十二光仏を讃歎する『讃阿弥陀仏偈』を『十二礼』と呼んだのではないかとする説を挙げている。しかし、迦才『浄土論』や善導『往生礼讃』の中夜礼讃に引用される龍樹造、禅那崛多訳『十二礼』の偈頌を指すなどの説もあり、現在でも、いかなる書物か不明のままである。
【資料】『続高僧伝』六、良栄『論註記見聞』、迦才『浄土論』中、『往生礼讃』
【参考】藤堂恭俊「曇鸞」(『浄土仏教の思想』四、講談社、一九九五)
【参照項目】➡十二礼
【執筆者:石上壽應】