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無尽講

提供: 新纂浄土宗大辞典

むじんこう/無尽講

経済的相互扶助を目的とした講集団で、ただ無尽と略され、頼母子たのもし模合もあいなどともよばれる。数名から十数名程度の構成員が金品を積み立て、原則として入札や抽選などの方法でメンバーが順に金品を取得してゆく。歴史的には中世から存在し、近世以降近代まで日本を代表する民間の金融制度であった。元来は牛馬や膳椀などの特定物品の購入、あるいは屋根葺きの材料を調達したり、その労力を提供しあうなど、生活維持のために行われたものが、近年では旅行無尽やゴルフ無尽などのように、構成メンバーの親睦と娯楽の目的で行われる例が増えている。地域的には沖縄県と九州の各県、および山梨県で広く行われている。これらの地域では、近隣組織や職場、あるいは同窓会で行われる無尽などもあり、「飲み無尽」などと称して定期的に宴会を行う例も見られるなど、本来の金融以外の目的で行われるものが目立つ。なお山梨県では、無尽が地方選挙活動の母体になっているともいわれている。


【参考】佐治靖「無尽講の成立と展開」(『福島県立博物館学術調査報告書』一九、一九八九)


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【執筆者:八木透】