村山修一著。昭和四一年(一九六六)一二月、至文堂刊。浄土教芸術を平安から鎌倉時代に至る宗教ないし信仰の推移と関連させ、単にそれが芸術の分野に留まるのみならず、当時の日本人一般の生活に深く結びついた文化現象であると論じた書。本書は、浄土教芸術は平安時代にばかり焦点をあてるべきではなく、中世においても十分注目されるべきであることを強調する。
【執筆者:高瀬麻衣】