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浄土宗読本

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどしゅうどくほん/浄土宗読本

大野法道中村弁康前田聴瑞共著。昭和一五年(一九四〇)五月、法然上人鑽仰会版行。歴史、教義、実践の視点から浄土宗を体系づけた概説書。歴史編では、釈尊の生涯から法然の行跡、さらには近代の諸師にまで至る広範な時代を取り扱って遺漏がない。教義編には、念仏信仰生活を支える教理が平易な言葉で詳述され、実践編においては、行儀のみならず宗派、寺院を取り巻く現実的な問題までもが言及されている。なお全編に散見する民族精神に関しての記述は、戦時下における検閲の厳しさを物語る。昭和四六年(一九七一)二月、山喜房仏書林より再刊。また同年一二月、第五版が出版された(共に教義編第七章は未収録)。


【参考】『教学週報』六〇四、同六一九、『浄土』六—四~七


【執筆者:加藤弘孝】