決疑鈔見聞
提供: 新纂浄土宗大辞典
けつぎしょうけんもん/決疑鈔見聞
一
五巻。良暁撰。良暁の他の著作と総称して「坂下見聞」「白旗見聞」ともいう。嘉元二年(一三〇四)成立。良忠『決疑鈔』の注釈書。本書は『決疑鈔』の難解な語句や宗義上の問題などについて、一八六項目を挙げ、問答体を交えながら解説している。また法然門下の他流や良忠門下の異義に対し、鎮西白旗相伝の説を顕すことに力を注いでいる。
【所収】浄全七
【参考】石井教道『選択集の研究 註疏篇』(誠文堂新光社、一九四五)
【執筆者:沼倉雄人】
二
理真撰。聖冏の『直牒』に「聞書」などと引かれるが現存しない。理真は藤田派の人。
【執筆者:編集部】
三
一〇巻。持阿撰。詳しくは『選択決疑鈔見聞』という。本書を含む持阿の注釈書群を後に「藤田見聞」・「持阿見聞」と呼ぶようになった。著者の持阿は、良忠門下藤田派性真の弟子である良心のこと。『選択集』と『決疑鈔』に対する注釈書。第一見聞から第五見聞までで構成されている。
【所収】浄全七
【執筆者:編集部】