奈良時代の官庁や寺院の倉庫。奈良時代の寺院には、宝物・什器などを収納する倉がいくつもあり、それが一郭をなして正倉院あるいは倉垣院そうえんいんと呼ばれていた。現在、当時のものとして残っているのは奈良東大寺の木造倉庫のみで(現在は宮内庁の管轄)、それが有名であるため、固有名詞化している。正倉にはさまざまな形式があったが、東大寺のように三角形の断面をもつ木材を組み合わせた校倉造あぜくらづくりのものが多かった。
【執筆者:金行信輔】