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新生活運動

提供: 新纂浄土宗大辞典

しんせいかつうんどう/新生活運動

物心両面において生活を豊かにし、その質を高めようとする運動。生活改善運動ともいう。国家主導のもと日常生活に密着した生活の合理化・近代化・民主化を図ろうとすることを特徴とした。新生活運動の語自体は中国の三民主義における生活刷新運動の中で用いられていた。日本においては、昭和二二年(一九四七)片山内閣が提唱した新日本建設国民運動が基礎となっている。全国的に組織化され展開したのは、同三〇年鳩山内閣時に設立された「(財)新生活運動協会」を契機とする。運動の内容は、①公衆道徳の高揚・助けあい運動・健全娯楽の振興、②冠婚葬祭の簡素化・無駄の排除・貯蓄と家計の合理化・時間励行、③生活行事や慣習の改善・迷信因習の打破、④衣食住の改善・保健衛生の改善、⑤家族計画、など多岐にわたる。特に②の中の葬祭の簡素化に関しては、高額な香典と香典返しが問題とされた。新生活運動協会は、同五七年「(財)あしたの日本を創る協会」と改称した。近年は、まちづくりや地域コミュニティの問題に取り組んでいる。


【参考】新生活運動協会『新生活運動協会二五年の歩み』(新生活運動協会、一九八二)、山本英治「新生活運動」(森岡清美他編『新社会学辞典』有斐閣、一九九三)、田中宣一「新生活運動と新生活運動協会」(『成城文芸』一八一、二〇〇三)


【執筆者:横井大覚】