きゅうしゅ/救主
救い主、すなわち救いを求めている者に救いを差し伸べる者のこと。キリスト教では、神は万物の創造主とされるため、神の絶対的な働きにより、神によって造られた人間(被造物)を「救う」という、神と人間との支配的な構造的関係が明確である。浄土教の信仰の対象である阿弥陀仏は、阿弥陀仏と凡夫(衆生)という関係では類似しているが、創造主と被造物という支配関係ではないので、阿弥陀仏は神のように絶対的救済の主体ではありえず、阿弥陀仏は、本願成就身であり光明摂取身であり来迎引接身として捉えられる。仏教の経論釈において救主の用語は見られない。
【参照項目】➡救済
【執筆者:藤本淨彦】