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戒尺

提供: 新纂浄土宗大辞典

かいしゃく/戒尺

犍稚物かんちぶつの一つ。床上に置いた状態で打つ割笏かいしゃく。俗に置き割笏ともいう。紫檀・黒檀などの堅い木で作られ、手に持つほうは割笏と同型で、下に置くほうは打つほうよりも少し大きい直方体、または音の響きをよくするために下部に脚を施してあるのもある。槌砧ついちんの代わりとして用いることがあり、犍稚法槌砧に準ずる。『禅林象器箋』には、「受戒に専らこれを用いる。故に戒尺の称を得たり」とある(二七類、唄器門・七四三、貝葉書院、一九〇九)。授戒会などのときに、条目を告げるために打ち鳴らす法具である。説教台の上に置いて、讃題十念のときに用い、別回向など同称十念の合図として打つことが多い。


【参照項目】➡割笏槌砧


【執筆者:中野孝昭】