鎌倉時代、融通念仏(大念仏)の中興の祖とされる円覚(一二二三—一三一一)により始められたとされる狂言。仏教の教理を人々に分かりやすく教示するのを目的とし、身振り手振りの無言劇で行われていた。大念仏狂言とも称し、京都の壬生寺みぶでら・引接寺(千本えんま堂)・嵯峨清凉寺の三箇寺に伝承されている念仏狂言が有名。引接寺の狂言には台詞がある。上杉家本『洛中洛外図屛風』には、念仏狂言の閻魔王庁の場面が描かれている。
【参照項目】➡大念仏
【執筆者:工藤美和子】