宗円
提供: 新纂浄土宗大辞典
しゅうえん/宗円
一三世紀中頃、生没年不明。白蓮社。「そうえん」とも読む。はじめ宝地房証真のもとで天台の教義を学び、後に聖光の門弟となる。聖光滅後は良忠の同門であった。天福元年(一二三三)に遣宋使橘尚書の船に乗り渡宋。廬山に入り睿禅師に参じ、一日話をしたところ、日本で被閲不可能であった善導『弥陀義』を拝見するに至った。しかし秘伝の書であるがゆえに書写は許されず、要旨を記憶して帰朝した(『鎮流祖伝』浄全一七・四三九下。ただし、『総系譜』では「遂に得ず」〔浄全一九・一二〕とある)。その他、廬山衣、自宗他門の書籍、道器なども携えて帰った。七十余歳にて没した。
【資料】『鎮流祖伝』三(浄全一七)、『法水分流記』(野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』青史出版、二〇〇四)
【執筆者:郡嶋昭示】