一巻。伝法然撰。法然『無量寿経釈』の女人往生観と存覚『女人往生聞書』を元に作られたとされる書。文末に「黒谷聖人御作也」とあるが、室町初期の成立とされており、法然に仮託して書かれたと考えられる。『昭法全』では伝法然書篇に収められている。前半は『無量寿経釈』と『女人往生聞書』を元にした女人往生観について、後半は念仏の現世利益について書かれている。
【所収】昭法全
【参考】笠原一男『女人往生思想の系譜』(吉川弘文館、一九七五)
【執筆者:前島信也】