インド鶏頭摩寺に住んでいたと伝えられる菩薩。生没年や実在したか否かは不明。阿弥陀仏の図像を最初に広めた菩薩である。鶏頭摩寺はⓈkurkuṭārāmaの訳語とされ、鶏園寺や屈屈吒阿濫摩寺ともいわれる。またインドのマガダ国内にあった寺院とされる。五通菩薩はそこに住した菩薩で、極楽浄土に赴き、阿弥陀仏に願い出て、その仏像を得たと伝えられる。法然は『逆修説法』一七いちしち日にこの逸話を引いている(昭法全二三四)。
【資料】『楽邦文類』三、『法苑珠林』一五
【執筆者:石田一裕】