五明
提供: 新纂浄土宗大辞典
ごみょう/五明
インドにおける五つの学問の分類。五明処ともいう。Ⓢpañcavidyā-sthānāni。五明は次の五つからなる。①内明処(自宗の教えを明確にする学問、すなわち教理学)②因明処(論理によって真偽を明確にする学問、すなわち論理学)③声明処(言葉の使用法を明確にする学問、すなわち言語学や文法学)④医方明処(病を治すための学問、すなわち医学や薬学)⑤工業明処(工巧明ともいう。建築や技術に関する学問、すなわち工学や芸術)。この五つは仏教徒の五明であり、外道(仏教以外の諸宗)では、②~⑤は同じで①が符印明とされるもの、また③~⑤までは同じで①・②がそれぞれ符印明・呪術明とされるものがある。
【資料】『瑜伽論』三八、『翻訳名義集』五
【執筆者:石田一裕】