貪(貪り)・瞋(いかり)・痴(おろかさ)の三つの煩悩のこと。三不善根、三火ともいう。数多くの煩悩の中でも、もっとも根源的なものとされるこれら三つを、心を害する毒の意味でこのように称する。また、これらが心を汚すということから、三垢さんくとも呼ばれる。貪は貪欲(Ⓢrāga)のことで、気に入ったもの快いものをほしいと執着すること。瞋は瞋恚(Ⓢdveṣa)のことで、気に入らないことに対して怒ること。痴(Ⓢmoha)は事物に迷妄する愚かさのことである。
【参照項目】➡煩悩
【執筆者:南清隆】