一仏の住する浄土、すなわち特定の仏が住する清浄な国土のこと。法然の『津戸つのとの三郎へつかわす御返事』に「極楽を願い念仏を申さん人には、たとい塵刹じんせつの外ほかの人なりとも同行の思いをなして一仏浄土に生まれんと欲おもうべき事にてそうろうなり」(聖典四・四一九/昭法全五〇五)とあるように、浄土宗ではとくに阿弥陀仏の西方極楽浄土を指して一仏浄土という。
【資料】『十疑論』、『正如房へつかわす御文』、『落窪物語』、『沙石集』、『西行物語絵詞』
【執筆者:宮田恒順】