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カニシカ王

提供: 新纂浄土宗大辞典

カニシカおう/カニシカ王

二世紀頃の人。ⓈKaniṣka。迦膩色迦王とも書く。インドクシャーナ王朝の第三代。一世紀頃バクトリアから侵入した初代クジューラ・カドフィセース、およびその子ヴィーマ・カドフィセースとは家系を異としていると考えられ、新たにカニシカ王朝と呼ぶ場合も見られる。異説も多いが、一二八年頃即位し、二十数年にわたって統治したとされる。プルシャプラ(現・ペシャワール)を都とし、カニシカ伽藍と呼ばれる大塔や寺院を建立、またいわゆる第四結集を援助するなど仏教を積極的に保護したと伝えられる。また、その勢力の中心地であるガンダーラやマトゥラーが説一切有部の拠点であったことも相まって、この部派の隆盛に寄与した。


【執筆者:南清隆】