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十二箇条問答

提供: 新纂浄土宗大辞典

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じゅうにかじょうもんどう/十二箇条問答

法然述。「十二箇条の問答」ともいう。一二箇条の質問と法然の返答とからなる。『和語灯録』四に所収。「かやうの五障の身」や「在家の人」という言葉が使われていることからして、質問者は在家の女性である可能性が高い。信心が弱いがどうすればよいかといった趣旨の質問が多く、それに対し法然は、信心おこし維持する具体的な方法を示すと同時に、「そのように悩んでいる者には、往生の志がないわけではない。志のない者は悩むことさえないので」などと述べる。また、たとえ心に悪が生じても、それを表に顕さないようにしようとすることが望ましいと述べるなど、一念義意識した法語も見られる。さらに、人間に生まれることの難しさを、梵天から糸を垂らして海底の針の穴に通すが如しといった喩えで説き示すなど、全体的に喩えが多いのも、本法語の特色といえる。


【所収】聖典四、昭法全


【執筆者:安達俊英】