桑門くわかど秀我著。明治四五年(一九一二)三月、宗粋社刊。浄土宗学の立場より、善導『観経疏』の大綱を概説したもの。七章構成で、解題から始まり、次に冒頭の偈頌をこの疏の序と位置付けて解説する。続けて玄義分、序分義、定善義、散善義および流通分について、良忠の『伝通記』の分科によった章節ごとに要旨を訳述している。『選択集』や『語灯録』、『東宗要』や『西宗要』、『伝通記』や『浄土述聞口決鈔』などを引用して簡潔に解説している。
【執筆者:齋藤蒙光】