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止観輔行伝弘決

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しかんぶぎょうでんぐけつ/止観輔行伝弘決

四〇巻。唐・湛然たんねん述。智顗述『摩訶止観』一〇巻の注釈書。初本、再治本を経て、永泰元年(七六五)に現行本が成立。『摩訶止観』の注釈書としては現存する最古のものであり、内容的にももっとも権威のあるものとされる。天台観門の奥義を明らかにして内外に示すことで、衰退していた天台仏教を復興し、その教学を確固たるものにした。それゆえ、華厳や法相などに対する批判や『摩訶止観』には見えない説なども述べられている。また最近の研究では、天台止観の無秩序な流行に対するために、この書が著されたという説もある。なお、古来より『摩訶止観』はこの書を通して理解することが多かったが、智顗説の部分と湛然の思想の区別が判然としない面もある。


【所収】正蔵四六


【参考】池麗梅『唐代天台仏教復興運動研究序説』(大蔵出版、二〇〇八)


【参照項目】➡摩訶止観


【執筆者:横田善教】