浄土大意鈔
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうどたいいしょう/浄土大意鈔
一巻。建長二年(一二五〇)良忠撰。民衆教化のために撰述されたと考えられ、述作場所は下総浄福寺であると思われる。和漢混合文であるが、浄土往生の大要が平易に記されている。内容は以下の七箇条となっている。①総勧②念仏の行者必ず三心を具すべき事③念仏の行者四修を具すべき事④念仏に三種の行儀ある事⑤善知識用意の事⑥臨終善悪の事⑦念仏者、常の意得の事。とくに⑦については聖光の念死念仏を説示し、良忠は「此の一言、千念よりも重し」(浄全一〇・七二二下)と述べ、聖光の遺誡をもって浄土宗の安心起行が念死念仏にあることを明かしている。
【所収】浄全一〇
【参考】小林尚英「『浄土大意抄』とその成立背景について—特に浄福寺と下総板碑を中心として—」(浄土学三六、一九八四)
【参照項目】➡念死念仏
【執筆者:沼倉雄人】