いそうおうじょう/異相往生
およそ極楽に往生できそうにない者の往生のこと。『日本往生極楽記』序に「今国史及び諸人の別伝等に異相往生有る者を撿べ、兼ねて亦た故老を訪ね、都て慮るに四十余人を得。予、感歎伏膺して聊か操行を記す」(続浄一七・一上)とあり、たとえ身分の低い者でも極楽往生を遂げることができる証明となる事例を四〇例以上集めたとし、以下聖人から一般人までその素行と死に際して現れた瑞相について詳述している。またここより、念仏者の死にあたってみられた異常な現象や、その現象がみられた人の死を異相往生とも言う。
【執筆者:安孫子稔章】