念仏の行者が仏・菩薩などの来迎を得て往生する際、観音菩薩の捧げ持つ蓮台に乗り、即座に無生忍を証悟すること。これは『無量寿経』の第三十四聞名得忍願に関して言及される。すなわち阿弥陀仏の名字を聞いた十方諸仏世界の衆生は名字を聞持し信を起こし、信じるが故にやがて得忍の益があるとし、信じて行ずる者は臨終に台に乗ずるとき、無生忍を証悟するという。なお何が台に乗じて得忍するのかという主体の問題も議論される。
【資料】聖聡『大経直談要註記』一四
【参照項目】➡聞名得忍願
【執筆者:袖山榮輝】