じょうぜんじかんえん/定善示観縁
善導の『観経』分科である二序七縁の一つ。釈尊が韋提希夫人および未来世一切の衆生のために極楽浄土を観見する方法である定善十三観を説き出す直接的な因縁を述べた序分を指し、『観経』本文の「仏告阿難及韋提希諦聴」より「云何当見阿弥陀仏極楽世界」(聖典一・二九二/浄全一・三九)に当たる。良忠は『伝通記』において「定善示観とは、十三の観門、其の体、定なるが故に名づけて定善と為す。此の定善を以て往生の観を示すが故に示観と名づく」(浄全二・二八四上/正蔵五七・五九八中)と述べている。
【参考】柴田泰山『善導教学の研究』(山喜房仏書林、二〇〇六)
【参照項目】➡二序七縁、観無量寿経
【執筆者:沼倉雄人】