正行院
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうぎょういん/正行院
京都市下京区東洞院塩小路下ル。亀通山。浄土宗捨世派。通称、猿寺。天文七年(一五三八)、円誉道阿によって捨世派一心院の末寺として創建される。猿寺の由縁は、円誉が北山中川で親切な猿の弔いのために自ら記した名号札を周辺の猿たちに授けていたが、元亀二年(一五七一)、猟師の完又十郎が命乞いをする猿の首につけられた名号札を見てその命を助け、その名号を書いた円誉の弟子となったとの伝承より起こる。また本堂は伏見城が壊されたとき、寛永年間(一六二四—一六四四)に徳川家光によって寄進されたものであり、さらに門前には竹田街道に敷かれた輪形の石より出た輪形地蔵が祀られている。
【参考】須賀隆賢『あしあと』(正行院、一九七〇)
【執筆者:兼岩和広】