神仏が衆生を照らしみて守ること。神仏が目をつけて見たまうことで照覧ともいう。普通、神仏などが衆生を明らかに見そなわすことをいうが、とくに浄土教では阿弥陀仏が衆生を照らしみて影護ようごして下さることを意味する。『観経』第九観に「光明は徧く十方世界を照らして、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」(聖典一・三〇〇/浄全一・四四)の文などは、阿弥陀仏の光明は、あまねく十方世界を照らして、一切衆生を救済することをいう。
【執筆者:小林尚英】