性海
提供: 新纂浄土宗大辞典
しょうかい/性海
永正四年(一五〇七)—天正一三年(一五八五)八月一九日。海蓮社。字は良迦。下野国大沢円通寺一〇世。当地の城主益子氏の出身。天文一〇年(一五四一)四月、円通寺が火災に遭い、船橋郷から現在地に移転し、益子氏の支援を受けて伽藍の復興に尽力した。天正二年(一五七四)六月には正親町天皇から綸旨を賜り、勅願所に列せられた。これらのことから円通寺中興とされる。さらに性海は、開山良栄理本が開設した大沢文庫の充実に努めた。また、同時期に良定袋中も多数の経釈類を同寺に寄進し、文庫の充実を支援した。
【資料】栃木県史編さん委員会編『栃木県史』史料編中世一・五(栃木県、一九七三・一九七六)、『総系譜』(浄全一九)
【参考】栃木県史編さん委員会編『栃木県史』通史編三(栃木県、一九八四)、大島彦信「大沢文庫管見」(『鴨台史報』四、一九三六)
【参照項目】➡円通寺一
【執筆者:𠮷水成正】