ごんぜつ/言説
言葉、言うこと、話すことなどの言語表現一般。ⓈabhilāpaⓈvyavahāraなどの訳語としても用いられる。言説とは言語を用いて物事を説き示すことであるが、真如などと言われる物事の究極の本質は、言葉では説明できないとされる。特に大乗の教理学では、言葉によって表象される世界は迷いの世界であり、言葉を離れることによって世界の真実が現れてくるとする。そのため言葉は否定される概念であるが、究極の境地を伝えるために言葉は必要であり、それまでは否定されない。また言葉によって表された真如を依言真如などとよぶ。
【参照項目】➡真如、真諦・俗諦
【執筆者:石田一裕】