法然が自身の遺跡のことについて法蓮房信空に示した言葉。信空の「御入滅の後、いずくをもてか御遺跡とすべきや」(聖典六・五八二)という質問に法然が「予わが遺跡は諸州に遍満すべし」(同)と述べる。そして、その理由として「念仏を修せん所は、貴賤を論ぜず、海人あま・漁人すなどりが苫屋までも、皆これ予が遺跡なるべし」(同)と述べ、念仏の声が響くところはあらゆるところが自身の遺跡であるとしている。
【所収】聖典六・五八二、昭法全七二二~三
【執筆者:石田一裕】