養鸕うがい徹定編。佛教大学蔵。法然の遺文三〇編の法語集。『四十八巻伝』二一の「常に仰せられける御詞」や聖覚『唯信鈔』などから抄出したとみられる。成立の年代や由来は不詳だが、巻末に「浄土宗総本山法主 大教正養鸕徹定御(花押) 大日本国 浄土門信者講中」とあり、養鸕徹定が知恩院に入った明治七年(一八七四)から、「法主」を「門主」と改称した同一九年二月までに編集したことが分かる。
【執筆者:伊藤真宏】