木幡派
提供: 新纂浄土宗大辞典
こばたは/木幡派
三祖良忠門下の六派のうち、京都三派の一つ。慈心良空を派祖とし、京都の宇治木幡の尊勝寺を中心に活動していたため、木幡派という。良空は、良忠門下の高弟であり、性格が正直で良忠の義に精通していることから後継者と目され、良忠より付法状を相承したという。しかし良空は、良忠が良暁に相続する意志があることを察して付法の伝衣を返却したという。良空の門流は如空、唯覚等、五人の弟子がいたと『法水分流記』に伝えられる。しかし、いずれも早くに断絶したようでその詳細は不明である。
【資料】『法水分流記』
【参考】大島泰信『浄土宗史』(浄全二〇)、恵谷隆戒『補訂版概説浄土宗史』(隆文館、一九七八)
【執筆者:伊藤茂樹】