阿弥陀仏の光明が、あらゆる世界をくまなく照らすこと。摂益文の第一句。『観経』第九観における「一々の光明、徧く十方世界を照らして、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」(聖典一・三〇〇/浄全一・四四)による。法然は『逆修説法』三七日において阿弥陀仏の光明について、常光と神通光に分けて解説しており、「一々の光明、徧く十方世界を照らして」は常光にあたる。また、浄土宗歌である「月かけのいたらぬさとはなけれともなかむる人の心にそすむ」は、法然が「摂益文」の偈文を解釈したものとされる。
【参照項目】➡摂益文
【執筆者:高瀬理衣】