高声寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
こうしょうじ/高声寺
茨城県坂東市岩井。藤田山道場院。茨城教区№九五。正応元年(一二八八)藤田派の派祖唱阿性心の開山。性心は、武蔵国秩父藤田郷の藤田利貞の子に生まれ、早くから良忠に師事した。二世持阿良心は藤田派の教義を大成し、その著書は藤田見聞と呼ばれている。また良心は、近隣に多くの寺院を建立し、教線の拡張に努めた。はじめ藤田派の根本道場として岩井郷市中根(坂東市)に開創されたが、貞享元年(一六八四)中興で二一世覚誉山貞のときに現在地に移転した。江戸時代には飯沼弘経寺の末寺となっている。
【資料】『飯沼弘経寺志』(浄全一九)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)
【参考】『茨城県史』中世編(茨城県、一九八六)、玉山成元『中世浄土宗教団史の研究』(山喜房仏書林、一九八〇)、『浄土宗茨城教区寺院沿革史』(浄土宗茨城教区、一九九六)
【執筆者:𠮷水成正】