高僧伝類の総称。「賢聖集」とは経録上の用語であり、三蔵教(経律論)以外の分類項目の一つ。『選択集』二には、三蔵教の「純雑の義」が述べられる中、三蔵教以外のものとして「『賢聖集』の中の唐宋両伝には、十科の法を立てて、高僧の行徳を明す」(聖典三・一一〇/昭法全三一六)と述べられ、高僧の勝れた業績や徳を伝える『続高僧伝』『宋高僧伝』が経録上における「賢聖集」の項目に割りあてられるものであることがわかる。
【参考】岡部和雄「経録における賢聖集伝の地位」(『鈴木学術財団研究年報』一一、一九七四)、石井教道『選択集全講』(平楽寺書店、一九五九)
【執筆者:三輪隆就】