三〇巻。虎関師錬著。元亨二年(一三二二)成立。日本最初の総合的な仏教史。仏教伝来から元亨二年までの約八〇〇年間を、中国の僧伝・史書の体裁にならって伝(僧伝)・表(年代記)・志(諸事項)に分け、独自の見識を加えて漢文体で記したもの。格調の高い史書であるが、体裁にこだわりすぎて内容がおろそかな面もみられる。法然についての項もある。
【所収】『新訂増補国史大系』三一、仏全一〇一、法伝全
【参考】今浜通隆訳『元亨釈書』(教育社、一九八〇)
【執筆者:福田行慈】