臨終来迎の際、阿弥陀仏が往生人の徳を讃える言葉の一つ。『観経』に説く九品往生のうち上品中生の者の往生の際に示される。第一義という語の用例は大乗経典に多く見られ、この上のない真理や絶対不二の境地と説明され、解第一義諦、解第一義空といった類似の用例も数多い。善導は『観経疏』において、この語に先立つ『観経』の「善解義趣第一義」(聖典一・一七九/浄全一・四七)を「善く大乗の空義を解すること」(聖典二・三〇四/浄全二・六二下)と釈すが、この語にはその解釈が適用されている。
【執筆者:袖山榮輝】