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葷酒

提供: 新纂浄土宗大辞典

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くんしゅ/葷酒

仏教戒律で禁じられた臭気の強いねぎにらにんにくらっきょう興渠はじかみという五辛および酒のこと。『梵網経』に、出家者は酒、肉、五辛を食してはならないという。葷は広く鳥獣魚肉をも含むので、葷酒とは、肉類の加わり、味が辛く、臭気のある戒律に禁じられた食物と酒の総称とも言える。寺院山門前の戒壇石に「不許葷酒山門」(葷酒山門に入るを許さず)とされるのも、このためである。法然は、『一百四十五箇条問答』で、葷酒の是非を議論するよりも、念仏を称えることの方が功徳の多いことを伝える。


【資料】『梵網経』下、『法苑珠林』九三~九四、『翻訳名義集』三、『観念法門私記』上、『観念法門私記私鈔』上、『翼賛』二二


【参照項目】➡五辛戒壇石


【執筆者:林鳴宇】