三巻。湛澄編。江戸時代の学僧、湛澄が編集した法然の歌集。元禄九年(一六九六)刊行。『四十八巻伝』と『和語灯録』から一九首を選んで注釈を施してある。「空華」とは、跋ばつ文に「空公の詞花」とあって、源空の詞華の意味であり、その詞華については、序文に「やまと歌は、人のこころをたねとして、咲きにほふ詞の花なれば、その風体、その人に似るべし」(続浄八・三四一上)とある。法然の歌について、「実相そなはりて、おのずから世の教誡となり、人をして幽玄ならしむる徳あり」(同)と述べ、法然の歌による教化を高く評価している。
【所収】続浄八
【執筆者:伊藤真宏】