きりんしょうざいろん/麒麟聖財論
四巻。『麒麟聖財立宗論』『麒麟聖財』『麒麟論』ともいう。伝菩提流支造。四世紀後半から五世紀前半頃の成立と伝わるが定かではない。聖冏や大玄がこの書を用いているが、大玄は『浄土頌義探玄鈔』において本書が偽作であることを論じているなど、菩提流支の作として扱われることは少ない。内容は前半の三巻で釈尊一代の教説に関する教判に種々あることを論じ、第四巻では浄土教について論じられている。
【資料】聖冏『釈浄土二蔵義』、大玄『浄土頌義探玄鈔』(共に浄全一二)
【執筆者:郡嶋昭示】