経典を安置する小型の机で、読経や写経のときなどにも用いる。禅宗では経案きんなんともいう。形は特に定まってはいないが、甲板の両脇に筆や経巻が落ちないように、筆返しが付いているものが一般的である。『四十八巻伝』には断面四角の四脚が真っ直ぐなものと、外側に反らせて作られているものなどが描かれており、鎌倉時代にはこうした形が一般的になったようである。近年では筆返しが付かない形状のものもあり、倚座いざ用のものもある。甲板が同じ形状のもので、大きさによって導師机、前机等と称する。
【参照項目】➡前机
【執筆者:中野晃了】