阿弥陀三尊来迎図
提供: 新纂浄土宗大辞典
あみださんぞんらいこうず/阿弥陀三尊来迎図
阿弥陀来迎図の一形式。阿弥陀仏が、観音菩薩、勢至菩薩を従えて来迎する姿を描く。観音菩薩は往生人を納める蓮台を差し出す姿、勢至菩薩は合掌する姿、そして阿弥陀仏は来迎印を結ぶ姿で描かれるのが通例である。金沢市心蓮社の作例(国重要文化財、平安時代)は、優美な作風で知られ、三尊すべてが座像で左上から右下への斜め向きに来迎する様を描く。法然浄土教が隆盛する鎌倉期以降は、『観経』の第七華座観に示される「無量寿仏、空中に住立したまう。観世音・大勢至、この二大士、左右に侍立したまう」(聖典一・二九七/浄全一・四二)の文に倣い、三尊とも立像で描かれるのが通例となる。
【参照項目】➡阿弥陀来迎図
【執筆者:若麻績敏隆】