経論を解釈するにあたり、その構成を明確化するための区分。科段、分段、科節、科章なども同義に用いられる。序分・正宗分・流通分の三分科が最も一般的な分け方で、序分がその経論の序説に、正宗分が本論に、流通分が結びに該当するが、経論やその解釈者によって分け方は異なり、また三分科にさらに詳細な科文が施されることもある。『観経』を例に挙げれば、浄影寺慧遠の科文の分け方が中国・朝鮮の仏教に広く受け入れられたが、浄土宗では善導の『観経疏』科文を基準として解釈する。
【参照項目】➡三分科経
【執筆者:市川定敬】