一巻。禅寂(俗名、日野長親)著。建保四年(一二一六)七月の成立。鴨長明と親交があった禅寂が、長明追善のために制作した講式。表白には、長明が月を好んだことから月を讃嘆する文が見られる。法然門下であった著者唯一の著作として注目される。写本に、高野山大学本、京都陽明文庫本、金剛三昧院本がある。
【所収】『鴨長明全集』(風間書房、二〇〇〇)
【参考】三田全信「禅寂と月講式」(『浄土教の思想と文化』佛教大学、一九七二)、グュルベルク・ニールス「『月講式』にあらわれた禅寂の思想」(『仏教文化の基調と展開』山喜房仏書林、二〇〇一)
【参照項目】➡禅寂
【執筆者:魚尾孝久】