『観経』に登場する聡明多智のマガダ国の大臣。父王頻婆沙羅を幽閉した際、阿闍世太子が、密かに頻婆沙羅の命をつなごうと動いた母韋提希に手をかけようとしたのを、王位奪取のための母殺しは先例がないとして耆婆ぎばとともに諫いさめた。近似の話は『涅槃経』迦葉菩薩品(正蔵一二・五六五下)にもみられるが、月光は登場しない。
【資料】『観経疏』(聖典二)
【執筆者:小澤憲雄】