漢字で書かれた典籍について、漢字の発音とその意味を解説した書物。中国では古くから一般の漢籍に対する注釈の一形式として音義というジャンルがあり、仏教でも諸経典に対して様々な音義が作られた。有名なものとしては、現存する最古の玄応『一切経音義』二五巻をはじめ、慧琳『一切経音義』一〇〇巻、浄土宗においても「浄土三部経」の音義としては最古の信瑞『浄土三部経音義』四巻などが挙げられる。
【参考】国際佛教学大学院大学学術フロンティア実行委員会編『玄応撰一切経音義二十五巻』(『日本古写経善本叢刊』一、二〇〇六)
【執筆者:石上壽應】